「サプリメントの選び方-上級編」でも記載させていただきましたように、サプリメントというのは、あくまでも食品ですので、何かに審査をされているわけではなく、メーカーが自由に販売できるものです。
「日本のサプリメントは、日本の厚生労働省が認可している」と勘違いされている方も多いのですが、そんな事はありません。
「食品」ですので、なんの審査も、認可もありません。
最近は、「トクホ」や「栄養機能食品」などの商品がありますが、これは、特定の成分が、「既定の量以上入っているかどうか」の審査だけです。
その「特定の成分」の品質であったり、加工法などに対する審査をしているわけではありません。
もちろん、体内での活性を調べるような事もしておりません。
厚生労働省が行っているのは、副作用などの報告があがってきた成分や商品に対し、注意勧告を行う程度です。
過去にも、さまざまな成分・商品が、注意勧告を受けてはいますが、注意勧告を受けて、すぐに販売を停止すれば、おとがめなし。販売を停止しない問題企業の場合でも、多くの場合は、数週間から数カ月の営業停止で終わりです。
もちろん、副作用の多いサプリメントを販売し続ける事は問題なので、厚生労働省のこういう働きは大切なものですが、じゃぁ、注意勧告を受けていないサプリメントは、「効果の出るサプリなのか」といえば、それはまた別問題です。
言いかえれば、なんの効果も作用もないサプリメントであれば、当然、副作用の報告も上がりません。つまり、販売を続ける事ができるのです。
また、これは消費者として、大問題な事なんですが、成分表が、まったくのウソ、というサプリメントも、中にはあります。
何かの検査を受けるわけではないので、なんの効果もない小麦粉の塊のようなサプリメントを販売し、副作用の報告もないから安定して販売されている。そんなサプリメントも存在するのです。
最近は、そうしたサプリに対し、「GMP基準」という基準をもうけているサプリメントもあります。
これは、要は、成分表の記載が正しいかどうかチェックしてますよ、という証なのですが、これまた問題点があります。
GMP基準の項目の中に、すべてのサプリメントが、同じ成分である、均一の色である、などの項目があります。
後ほど、合成栄養素よりも、天然栄養素のほうが活性が良い、という事を記載させていただく予定ですが、「本物の天然栄養素」は、粒により、または季節により、若干の違いが生じるのが普通なのです。
たとえば、原材料がほうれんそうだとして、ほうれんそうも、葉先と茎では、それぞれ含有成分が違います。または、季節、産地によっても、大きく変わってきます。
ほんものの天然サプリメントは、そうした「原材料」の影響を受けますので、必ず、どの粒も均等、とはいかないのです。
ですから、本物の天然サプリメントは、GMP基準を満たす事ができません。
逆に言うと、GNP基準を満たす天然サプリメントというのは、「一部天然成分を含む」というだけの事で、ほとんどは合成栄養素の可能性が高くなるのです。
では、「品質の良いサプリメント」を選ぶためには、どんな点を意識して探すのが良いのでしょうか?
成分表や、広告文からすべてを読み取れるわけではないのですが、意識して選びたい「高品質ポイント」をお伝えします。
ポイント1. 安すぎないサプリメントである事
高ければ良いサプリというわけではないのですが、安いサプリメントに、良いものはありません。
原材料、加工方法、保管方法、出荷方法などなど、こだわればこだわるほど、経費がかかります。
経費がかかるサプリメントは、どうしてもある程度の商品代をつけないと、メーカーは利益を出す事ができません。
それを考えれば、安いサプリメントで、効果を出すことができないのは、おのずとわかるかと思います。
ポイント2. 低温加工しているサプリメントである事
栄養素というのは、高温加工すると、壊れてしまうものが多く、中には、変性して、逆に体内で悪影響の働きを起こすものもあります。
それを考えると、「低温加工」というのは、非常に重要な項目です。
サプリメントは、低温で加工すると、完成するまでに日数がかかってしまいます。
日数がかかるという事は、その分の人件費、機械の稼働代(要は電気代とか)、機械の数や場所代(1つの機械で作り出せる量が限られてしまうので、それを補うだけの機械の数が必要になります。その機械を置くためには、スペースが必要です。)などなど、つまり、経費がたくさんかかってしまうのです。
多くのメーカーでは、なるべく原価を抑えたい、という事で、早く加工を終えたい、という事で、高温加工をしています。
低温加工しているサプリメントは、せっかく経費をかけて低温加工しているのですから、絶対に、「低温加工」であることを、広告文に盛り込んでいます。
つまり、加工温度をあえて広告に出していないメーカーは、高温加工であると思って良いと思います。
低温加工である事を、広告文に記載しているサプリメントを選ぶと、かなりの高確率で、品質の高いサプリメントに出会えます。
ポイント3. 店頭販売していないサプリメント
サプリメントを店頭で販売する場合、ある程度の「賞味期限」が必要になります。
以前、私が、ある大手店頭販売の方に問い合わせをしたところ、「最低でも5年の賞味期限がないと、販売は難しい」と言われました。
本社の倉庫に保管する日数、各店舗の倉庫で保管する日数、店頭に並べてから売れるまでの日数、を、各半年くらいを計算するそうです。
そして、お客様の手元に渡ってから、2年は消費期限が欲しい。
という事で、それを考えると、最低でも3年半、という事になるのですが、実際には、ゆとりをもって、5年の消費期限が欲しい、という事でした。
私が問い合わせをしたのが、大手店頭販売のところだったから、というのもあると思うのですが、大量仕入れで安く仕入れ、倉庫で保管する。という事で、保存期間が必要になるわけですね。
本当に品質の良いサプリメントというのは、後に記載しますが、保存料などの添加物をあまり入れていません。
そのため、どうしても、消費期限が短くなってしまいます。
消費期限が短いものは、店頭販売で敬遠されます。
つまり、店頭販売をしていないサプリメントのほうが、高品質である可能性が高いのです。
ポイント4.添加物や保存料が少ないサプリメント
添加物や保存料が多いと、当然のことながら、その分、1粒に含まれる栄養素の量が減ります。
また、添加物や保存料が、栄養素の活性の妨げとなります。
粗悪なサプリメントの中には、1粒の60パーセント以上が保存料や添加物のサプリメントも存在します。
そうなると、栄養素で効果を発揮するどころか、逆に、添加物や保存料による悪影響のほうが大きい、という事になっていきます。
ときどき、サプリメントを飲むと具合が悪くなる、と言う方のほとんどは、栄養素ではなくて、添加物や保存料などで具合が悪くなっています。
また、医者や、栄養士などで、サプリメントを否定される方もいますが、ほとんどの場合、「添加物や保存料」を指摘しています。
最初から、添加物や保存料が入っていないサプリメントを選べば、こうした悪影響に振り回されず、良い成分だけを活性することが可能です。
理想は、「栄養素だけ」でできているサプリメントが理想です。
ただ、添加物というのは、「便利」にするために入れられるものですから、添加物の入っていないサプリメントというのは、それなりに不便があります。
たとえば。。。
保存料を使っていない ⇒ 消費期限が短い
漂白していない、着色料を使っていない ⇒ 見た目が汚い、色が不均一。
香料を使用していない ⇒ 匂いがきつい
光沢剤を使っていない ⇒ ざらざらしていて飲み込みにくい
合成甘味料を使用していない ⇒ まずい
といった点です。
逆にいえば、消費期限が短く、見た目が汚くて匂いの強い、まずいサプリは、品質の良いサプリメントの証とも言えます。
ポイント5.天然栄養素である事
合成栄養素というのは、人工的に作りだした栄養素で、安く大量に作る事ができますが、体内での活性が悪いのが特徴です。
体内で活性しないサプリメントを飲んでも意味がありませんので、当然ながら、活性させたいのであれば、天然栄養素のサプリメントを選ぶほうが、効果が高まります。
ただし、天然ブームとなった今、「天然抽出」とか「天然成分含有」とか、いろんな言葉を使い、たくみに、天然を「ウリ」にして、合成栄養素が販売されています。
「天然」とか「無添加」などの言葉には、「定義」がないので、自由に使えちゃうところも、消費者にとってわかりにくい部分だと思います。
さらに、成分表や原材料欄を見ても、本当に天然の栄養素かどうかの判別はできません。
原材料欄に、野菜や果物、魚等の記載があったとしても、はたしてその栄養素がどの程度含まれるのか。
天然栄養素をほんの少量だけ含む、他ほとんどは合成栄養素、というサプリも少なくないのです。
なので、この項目については、一応記載していますが、判別は非常に難しいです。
まずは、選ぶ基準として、「天然栄養素」を選んでください。
「天然抽出」とか、「天然成分含有」など、意味を不明瞭にしているものではなく、わが社のサプリは、「天然栄養素です!」と明言しているところを選ぶのが、最低限の判別方法だと思います。
完全な選別方法ではありませんが、上記5項目を満たすサプリメントは、かなりの確率で、品質の良いサプリメントです。
サプリメントを選ぶなら、その大前提となるのは、品質の良いサプリメントである事です。
ぜひ、サプリメントを選ぶ際に、参考にしていただければと思います。
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