更年期の「予防」にイソフラボン・エクオールを勧めない理由

エクオールでも飲もうかな
最近、妙にイライラするし、抜け毛も増えたし。エクオールでも飲もうかな。
ちょっと待って!
イソフラボンや、エクオールは、更年期の「予防」や、初期症状には、おススメしません。「効かない」だけじゃなくて、マイナスの影響もあるので、むしろ、飲んでほしくないんです。

 

今日は、「正しい 更年期 予防サプリ」の話をしたいと思います。

□この記事の内容

イソフラボンが、更年期の「予防」に使えないワケ

更年期の「予防」に使うべき正しい栄養素

イソフラボンが 更年期 を早める

イソフラボンが更年期を早める
  • イソフラボンで女性ホルモンは増えない

イソフラボンには、女性ホルモンを増やす力はありません。
むしろ、女性ホルモンを減らす。という事を、1人でも多くの方に伝えたい!

イソフラボンに出来る事は、ホルモンに「似た働き」

イソフラボンに出来る事は、女性ホルモンに「似た働き」をする事です。
女性ホルモンに「似た働き」をする事で、更年期のきつい「症状」を緩和させる事が出来ます。

つまり、更年期の症状を、ごまかして乗り切るために、イソフラボンは有効です。

女性ホルモンがあるのにイソフラボンを飲むとどうなる?

イソフラボンは、女性ホルモンに「似た働き」をしてくれます。
女性ホルモンがあるのに、「似た働き」も働いてくれると、女性ホルモンは、「あれ、こんなに必要ないかな」と、勘違いして、分泌量を減らしてしまいます。

つまり、イソフラボンを飲むと、本物の女性ホルモンの分泌量が減ってしまうのです。

むしろ、イソフラボンが 更年期 を早める

イソフラボンに出来る事は、女性ホルモンに「似た働き」です。
決して、女性ホルモンそのものにはなりません。

女性ホルモンが増えないのに、女性ホルモンの分泌が減る。

結果、必要がない時期に、イソフラボンを飲み始めると、かえって、更年期を早めることにつながります。

不要なイソフラボン摂取は病気を招く

不要なイソフラボン摂取は病気を招く
  • 子宮内膜症が増える
  • 乳がんが増える

女性ホルモンがあるのに、「似た働き」まで働かせてしまうと、体内では、「ホルモンの過活動」のような状態に陥ります。
結果、女性特有の病気が、増えてしまう。というのが、私がイソフラボンサプリを強く否定したい理由です。

それぞれ、データをお伝えします。

イソフラボンと子宮内膜症

2004年、イタリアで行われた大規模臨床試験により、イソフラボンの摂取が、子宮内膜症の悪化と密接に関連がある、と報告されました。

イタリアの研究報告(Unfer V, et al., Fertility and sterility)
閉経後女性に1日150mgの錠剤を5年間摂取させた結果、子宮内膜増殖症の発症が有意に高かった。

増殖例の多さから、日本でも、厚生労働省のHPにも記載されています。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/42.html

イソフラボンと乳がん

乳がんとイソフラボンの摂取には、密接な関連があると思われており、数々の研究が行われています。
イソフラボンで乳がんが減る、というデータもあれば、乳がんが増える、というデータもありますので、現時点で、どっちなのかは明言できません。

でも、乳がんとイソフラボン摂取には、何かしらの関連がある。というのは間違いないと言えそうです。

※下記の日本語は、翻訳サイトによる直訳です。

Cancer Research(アメリカの科学ジャーナル)
→さまざまな量のゲニステインを含む大豆食は、用量依存的にエストロゲン依存性(MCF-7)腫瘍の成長を刺激する。

PubMed(アメリカ国立衛生研究所の検索エンジン)
→食餌性ゲニステインの生理学的濃度は、無胸腺ヌードマウスに移植されたエストロゲン依存性ヒト乳がん(MCF-7)腫瘍の成長を用量依存的に刺激します。

ニコラスL.ペトラキス(UCSF医学部・疫学研究者)
→閉経前および閉経後の女性の乳房分泌に対する大豆タンパク質分離物の刺激的影響。

J Clin Endocrinol Metab. (アメリカの医学雑誌)
→2週間の大豆サプリメントは、正常な閉経前の乳房にエストロゲン作用を及ぼします。

また、動物での実験段階の話ですが、

乳がんがあるラットにゲニステインを経口投与したところ、90日で優位な増加があった。

乳がん細胞を移植したマウスにゲニステインを含む餌をあげたところ、腫瘍の増大、細胞の増殖が促進された

乳がん細胞を移植したマウスにゲニステインを含む餌と、乳がん治療用タモキシフェンをあげたところ、腫瘍の増大、反応性遺伝子の増大があった。

などの報告もあるそうです。
(詳細は → 厚生労働省の審議データ資料

イソフラボンの正しい使い方

  • 更年期のきつい「症状」を緩和することが出来る

イソフラボンには、女性ホルモンに「似た働き」ができます。
女性ホルモンに似た働きがあれば、更年期の「症状」を緩和させることは、確かに可能です。

つまり、イソフラボンは、「きつい更年期症状の緩和」に使うなら、非常に有効です。

最近は、エクオールも人気ですが、エクオールも同様です。

更年期 を「予防」したい場合におススメの栄養素

更年期を「予防」したい場合におススメの栄養素
  • 更年期の「予防」におススメの栄養素は、「ガンマリノレン酸」です。

イソフラボンと違って、「安全性が高い」というのが、1番のおススメ理由です。

ガンマリノレン酸とは

ガンマリノレン酸は、女性ホルモンの「原材料」になる脂肪酸です。

本来は、お肉や油、乳製品など、「脂質」を食べれば、自然と体内で生まれる脂肪酸で、食事やサプリでわざわざ摂取すべき脂肪酸ではありません。

だけど、40代を超えると、この「ガンマリノレン酸」の生成量が減るんです。

女性ホルモンの原材料であるガンマリノレン酸の生成量が減るので、その結果、女性ホルモンが減っていくわけです。

「 更年期 の予防」「初期の 更年期 」にガンマリノレン酸が良いワケ

「初期の更年期」には、「女性ホルモンを作り出す力」は、まだ大いにあります。

原材料が減ったから作り出せないだけで、原材料を与えてあげれば、後は、カラダの中で、自動的に女性ホルモンを作り上げてくれるんです。

原材料を与えて、まだまだ働いてもらえば、「ホルモンを作り出す機能」も衰えなくてすみます。

そして、自動的に作られるホルモンだから、危険性も一切なし。
イソフラボンのように、子宮内膜症や乳がんなどが増えるリスクもありません。

安全で、かつ、機能低下を抑えてくれる栄養素。
それが、ガンマリノレン酸です。

「ガンマリノレン酸」が含まれる食べものは?

ガンマリノレン酸が多く含まれる食物は、母乳、くじら、ボラージ草種子など、あまり口にしないものばかりです。

そのため、普通の食事で補う事は難しく、月見草やボラージ草などの植物種子油のサプリで摂取することが一般的です。

「ガンマリノレン酸」の注意すべき点は?

すべての脂肪酸に言える事ですが、「脂肪酸」は、古くなったり、高温で加熱すると、酸化脂質になってしまいます。

ガンマリノレン酸も同様で、酸化脂質は、動脈硬化などの原因になるため、「酸化していないガンマリノレン酸」を選ぶことが大事です。

具体的には、「加工後なるべく時間が経っていないサプリ」や「低温加工のサプリ」などを選ぶことが重要です。

まとめ

更年期の「予防」に飲むべきサプリは、エクオールじゃない。
  • 更年期の「予防」に飲むべきサプリは、エクオールじゃない。

ホルモンはまだまだ解明されていない分野の1つです。だからこそ、「ホルモン治療」には、副作用がいっぱい。
それでも、「治療しないとしんどすぎる」という方にとっては、やる意味があるのかもしれません。

だけど、「予防したい」という段階で、ホルモンを刺激する必要は「絶対に」ありません。

必要なのは、刺激じゃなくて、「原材料」。

原材料をあげれば、後は、体内で勝手に作り出してくれます。
体内で作り出すものだから、安全性は折り紙付きです。

更年期の「予防」をしたい場合は、ぜひ、安全性の高い「月見草オイル」をお試しくださいね。
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